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東京地方裁判所 昭和53年(特わ)1452号 判決 1978年10月20日

本店所在地

東京都葛飾区西亀有一丁目一番一九号

株式会社 藤沢電器製作所

(右代表者代表取締役 藤沢こと 藤澤孝行)

本籍

東京都葛飾区西亀有一丁目二番地

住居

同区西亀有一丁目一番一九号

会社役員

藤沢こと 藤澤ツル

明治四三年五月二六日生

右の者らに対する法人税法違反被告事件につき、当裁判所は、検察官五十嵐紀男出席のうえ審理を遂げ、次のとおり判決する。

主文

被告人株式会社藤沢電器製作所を罰金一〇〇〇万円に、被告人藤澤ツルを懲役一〇月にそれぞれ処する。

被告人藤澤ツルに対し、この裁判確定の日から三年間、右刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人株式会社藤沢電器製作所(以下「被告会社」という。)は、肩書地に本店を置き、各種電解コンデンサーの製造等を目的とする資本金三二〇〇万円(昭和五二年四月二五日以前は八〇〇万円)の株式会社であり、被告人藤澤ツル(以下「被告人」という。)は、被告会社の実質経営者としてその業務全般を統括していたものであるが、被告人は、被告会社の業務に関し法人税を免れようと企て、架空仕入の計上、棚卸の除外等の方法により所得を秘匿したうえ、

第一  昭和五〇年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が八一六七万五七七二円あった(別紙(一)の修正損益計算書参照)のにかかわらず、同五一年二月二五日、東京都葛飾区立石六丁目一番三号所在の所轄葛飾税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が三五九三万二〇九八円でこれに対する法人税額が一二一七万一一〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書(昭和五三年押一五〇五号の符号二)を提出し、そのまま納期限を徒過させ、もって不正の行為により被告会社の右事業年度における正規の法人税額三〇四三万三六〇〇円(税額の算定は別紙(三)の一計算書参照)と右申告税額との差額一八二六万二五〇〇円を免れ、

第二  昭和五一年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が一億一八〇三万六六四四円あった(別紙(二)の修正損益計算書参照)のにかかわらず、同五二年二月二六日、前記葛飾税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が三四九二万三二六〇円でこれに対する法人税額が一一六七万七一〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書(前同号の符号三)を提出し、そのまま納期限を徒過させ、もって不正の行為により被告会社の右事業年度における正規の法人税額四四八七万七一〇〇円(税額の算定は別紙(三)の二計算書参照)と右申告税額との差額三三二〇万円を免れ

たものである。

(証拠の標目)

第一  判示冒頭事実を含む判示事実全般につき、

一  被告会社代表者及び被告人の当公判廷における各供述

一  被告人の検察官に対する供述調書二通及び大蔵事務官に対する質問てん末書二通(乙1ないし4)

一  藤澤孝行の大蔵事務官に対する質問てん末書及び検察官に対する供述調書(甲16、17)

一  小倉英男、鳥居英次の検察官に対する各供述調書(甲18、19)

一  登記官作成の登記簿謄本(甲20)

第二  別紙(一)、(二)の各修正損益計算書掲記の各勘定科目別「当期増減金額」欄記載の数額のうち

(イ)  期首たな卸高(各<2>)、期末たな卸高(各<6>)、期首仕掛品(材料、各<7>)、期首仕掛品(加工、各<8>)、期末仕掛品(材料、各<9>)、期末仕掛品(加工、各<10>)、運賃・包装費((二)<19>)につき、

一 小倉英男作成の「当社のたな卸除外額について」と題する確認書(甲1)

一 検察事務官佐野周二作成の捜査報告書(甲2)

(ロ)  仕入材料(各<4>)、支払手数料((一)<21>、(二)<22>)につき、

一 大蔵事務官作成の架空仕入及び支払手数料調査書(甲3)

(ハ)  福利厚生費(加工、(一)<14>、(二)<15>)につき、

一 前掲乙1、3、4

(ニ)  給料((一)<19>、(二)<20>)につき、

一 大蔵事務官作成の過大給料調査書(甲4)

(ホ)  交際費((一)<28>、(二)<29>)、受取利息((一)<34>、(二)<35>)につき、

一 大蔵事務官作成の簿外貸付金調査書(甲5)、預金利息調査書(甲6)

一 前掲乙1、3、4

(ヘ)  受取配当金((一)<36>、(二)<37>)につき、

一 大蔵事務官作成の配当金収入調査書(甲7)、投資信託収益分配金等調査書(甲8)、積立株式ファンド調査書(甲9)

(ト)  有価証券取引損益(各<39>)につき、

一 大蔵事務官作成の証券取引調査書(甲10)

一 前掲甲9

(チ)  支払利息((一)<40>、(二)<41>)につき、

一 大蔵事務官作成の架空借入金・支払利息調査書(甲11)

(リ)  価格変動準備金繰入損((一)<46>)、価格変動準備金繰戻益((一)<47>)、特別減価償却費((一)<48>、(二)<45>)、減価償却費((二)<34>)につき、

一 葛飾税務署長作成の証明書(甲12)

一 大蔵事務官作成の減価償却調査書(甲13)

(ヌ)  事業税認定損((一)<61>、(二)<60>)につき、

一 大蔵事務官作成の未納事業税調査書(甲14)

一 検察事務官山田彰三作成の捜査報告書(甲15)

第三  別紙(一)、(二)の各修正損益計算書掲記の各勘定科目別「公表金額」欄記載の数額及び過少申告の事実につき、

一  押収にかかる被告会社の昭和五〇年一二月期及び同五一年一二月期各法人税確定申告書各一袋(昭和五三年押第一五〇五号の符号二、三)

(法令の適用)

法律に照すと、判示各所為は、各事業年度ごとに法人税法第一五九条第一項(被告会社については、さらに同法第一六四条第一項)に該当するところ、被告会社については情状に鑑み同法第一五九条第二項を適用し、被告人については所定刑中懲役刑を選択することとし、以上は刑法第四五条前段の併合罪であるから、被告会社については同法第四八条第二項により合算した金額の範囲内において罰金一〇〇〇万円に、被告人については同法第四七条本文、第一〇条により犯情最も重いと認める判示第二の罪の刑に法定の加重をした刑期範囲内において懲役一〇月にそれぞれ処し、被告人に対し同法第二五条第一項を適用してこの裁判確定の日から三年間、右刑の執行を猶予することとし、主文のとおり判決する。

(裁判官 半谷恭一)

別紙(一) 修正損益計算書

株式会社 藤沢電器製作所

自 昭和50年1月1日

至 昭和50年12月31日

<省略>

<省略>

<省略>

別紙(二) 修正損益計算書

株式会社 藤沢電器製作所

自 昭和51年1月1日

至 昭和51年12月31日

<省略>

<省略>

<省略>

別紙(三)の一 ほ脱税額計算書

株式会社 藤沢電器製作所

(1) 自 昭和50年1月1日

至 昭和50年12月31日

<省略>

別紙(三)の二

(2) 自 昭和51年1月1日

至 昭和51年12月31日

<省略>

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